ドクスメ耳寄りニュース

読書のすすめに新入荷の一押し本やイベントなどをお知らせさせていただくページです。

『仏に逢うては仏を殺せ 吉福伸逸とニューエイジの魂の旅』

以前、清水店長も大絶賛!

タテ糸の本物名著としておすすめしていた、『タオ自然学』『新ターニング・ポイント』の訳者としても有名で、工作舎という出版社さんより「読書のすすめさんに是非読んでいただきたい、吉福伸逸さんの伝記が出ます!」と熱いご紹介をいただいていた『仏に逢うては仏を殺せ 吉福伸逸ニューエイジの魂の旅』が、入荷しました!


仏に逢うては仏を殺せ - 読書のすすめ

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あれこれ内容を書くよりも、著者の稲葉小太郎さんがこの本を書くことになったきっかけの「まえがき」と「あとがき」をお読みください。

「私がこの人物(吉福伸逸氏)に興味をもったきっかけは、一九八〇年代に数多く出版された「トランスパーソナル心理学」の翻訳や入門書だった。大学で印度哲学を専攻したものの、もっと実践的な部分を知りたいと思っていた私にとって、吉福が日本に紹介した新しい心理学の流れは魅力的なものだった。

自己とは何か。
心は成長するのか。
〈悟り〉とは?

人生のなかで誰もがぶつかるであろう難問に、セラピーの手法をもちいてアプローチする姿勢は、研究室でテキストに向き合うよりエキサイティングで禅寺で壁に向き合うよりスマートなものに見えた。大学を卒業した私は出版社に就職、取材の名目で吉福の弟子によるワークショップに参加するうち、吉福伸逸その人に対する興味がつのっていった。

そのころ、吉福はすでに伝説の人物だった。ボストンのバークリー音楽院でジャズを学び、帰国後は翻訳家として、ニューエイジトランスパーソナル心理学の文献を日本に紹介、セラピストとしてワークショップをリードした。

たが、その実像は謎のベールに包まれていた。顔写真もなかったし、ある日忽然と表舞台から姿を消し、その後はハワイでサーフィンと畑仕事の日々というのもできすぎたストーリーに思えた。」

「本書は生前の吉福を知る人々を訪ね歩き、証言をつなぎあわせて、この謎多き人物の足跡をたどる試みである。世間的にはまったく無名の男である。本にするほどの材料が出てくるのか、不安もあった。

ところが吉福の歩みを追うことは、図らずも昭和史の失われた一側面に光を当てることになった。七〇年代の終わりから九〇年代にかけて、「精神世界」ブームというものがあった。大型書店には「精神世界」コーナーが設置され、若者たちの実存的な探求心を刺激した。

「自分探し」の源流がそこにあり、底流にはオウム真理教を生みだした精神風土が横たわっている。ところがいま、この時代のことは封印されたごとく語られず、知る者は減るばかりだ。
吉福の人生をたどることは、この「精神世界」ブームとはなんだったのか、ふり返ってもう一度考えることでもある。 

近年、仏教の瞑想に由来するマインドフルネスが注目され、書店には専門コーナーもできている。自己探求は人間にとって永遠のテーマだ。しかしこの道は果てしなく、曲がりくねっている。宗教、心の成長、意識の変容、スピリチュアリティ、救い、癒しといったものと私たちはどう向き合っていけばいいのか。本書がこの難しい問題を考える一助となればと思う。」

はじめにより

『「仏に逢うては仏を殺せ」
中国臨済宗の開祖・臨済義玄の言葉である。仏とは仏道を学ぶ者にとっての理想、到達点であるはずだ。そんな相手をも「殺せ」とは物騒な話だが、要は、自分にとっていちばん大切なものにも執着するな、ということだ。吉福伸逸は、この言葉のとおりに生きたと思う。 
肩書を持たず、権威を離れ、せっかく産み落としたトランスパーソナルという赤子をたらいの水ごと流すようなことを平気でした。ものごとの本質にしか興味を示さず、今日打ち立てたセオリーを次の日には捨てた。
―中略―
表向きは「セラピーは自分のため」、「ぼくはぼくのためにやっている」と、心のおもむくままに生きたように見える吉福だが、その心の奥底には深い「悲しみ」があった。」

「「精神世界」もニューエイジも、しょせんドロップアウトした人々の夢だったのか。カウンター・カルチャーは、結局カウンターのままで終わるのか。そうなのかもしれない。
だが、そうだとしても、カウンターはカウンターとして存在することに意味があるのではないか。「自己探求」が夢だったとしても、先の見えない時代のなかで絶望しそうになったとき、生きづらさに押しつぶされそうになったとき、吉福伸逸の生き方が助けになるのではないか。

自分はなぜここにいるのか?
ほんとうの願いはなんなのか?

答えのない問いを深めるヒントが、この稀有な男の人生のなかに散りばめられている。」

あとがきより

こちらの「はじめに」「あとがき」に、この本の本質が書かれていますが、実は

「精神世界」

という言葉の生みの親の一人でもあった、吉福伸逸氏の人生を読むことは、現在の「精神世界」や「スピリチュアリティ」などの源流を辿ることにもなるので、読む人こそが「読む」読み応え抜群のタテ糸の名著本です。

ソニー創業者の井深大氏など錚々たる面々と対談したりと、名実共に実力者だった吉福伸逸氏が、なぜ突如として表舞台から姿を消したのか?

ここに、この一冊にしか伝えられない「美しい生き方の本質」が隠されていると感じました。

心ある方は是非お読みください!

 

【目次】
第1部 家住期
プロローグ 消された履歴
第1章 カウンター・カルチャーの聖地から
第2章 「精神世界」とニューサイエンス
第3章 20世紀の三蔵法師
第4章 本来の面目
第5章 進化の夢
第6章 トランスパーソナル国際会議
第7章 心の成長と癒し
第8章 エクソダス

第2部 学生期
第9章 無口な秀才
第10章 ぼくの初恋
第11章 悪霊
第12章 夢のカリフォルニア

第3部 林住期
第13章 ノースショアの浜辺にて
第14章 悲しみの共同体

第4部 遊行期
第15章 伝説のセラピスト
第16章 最後の講義
エピローグ 海へ帰るボーディサットヴァ

 

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